ビジョントレーニング
視力を改善させるのではなく、「見る力・見る意識の質」を高めることが目的です。
ビジョントレーニングとは
「視力」という言葉はよく知られていますが、「視覚」となると、同じ意味のように思われがちです。しかし実際には、この二つはまったく別のものです。
視覚とは、単に「よく見える」ことではありません。人が見ているという行為は、次の機能がすべて連動してはじめて成り立っています。
- はっきりと見る力
- 感覚機能
- 目を正確に動かす力
- 運動機能・両眼視機能
- 見た情報を脳で理解・整理する力
- 情報処理機能
- 見たものに合わせて体を動かす力
- 眼と体の協応
つまり視覚とは、「眼と脳と身体が一体となって働く力」です。
ビジョントレーニングは、目と脳と身体の連携を向上させるためのトレーニングです。視力を改善させるのではなく、「見る力・見る意識の質」を高めることが目的です。
人間は、外界からの情報の約80%を目から取り入れると言われています。見る力・見る意識の質を高めることによって視覚を鍛え、素早く正確に物事を捉えることができます。
このような症状はありませんか?
視覚機能のバランスが崩れると、日常生活の中でさまざまなサインが現れます。
- 本を読むと行を飛ばす・見失う
- 読むスピードが遅い、理解しづらい
- 黒板を書き写すのが苦手
- 文字がダブって見えることがある
- よく似た文字を間違える
- 図形や絵が苦手
- よくぶつかる・転びやすい
- 距離感がつかみにくい
- 球技が苦手
- 集中力が続かない
- 姿勢が崩れやすい
- 目の疲れが強い
これらは「視力」の問題ではなく、視覚機能の問題であるケースが多く見られます。
視覚は3つの力で成り立っています
ビジョントレーニングは、視覚のさまざまな機能をバランスよく高めていくトレーニングです。単に視力を上げるのではなく、「見て、理解して、行動する力」そのものを高めることを目的としています。
- 眼
入力機能(見る力)
外からの情報を正確に取り入れる力です。
- ・視力(ピントが合っているか)
- ・両眼視機能(両目のチームワーク)
- ・眼球運動(素早く・正確に目を動かす力)
これらが弱いと、見ること自体に無駄な負担がかかります。
- 脳
情報処理機能(理解する力)
目から入った情報を脳で処理する力です。
- ・形や文字を正しく認識する力
- ・見たものを記憶する力
- ・イメージして考える力
- ・空間や位置関係を把握する力
学習や仕事の効率にも大きく関わります。
- 身体
出力機能(行動する力)
見た情報をもとに体を動かす力です。
- ・手や体の動きとの連動
- ・スポーツや日常動作の正確さ
- ・表現力(書く・話す・動く)
入力と処理がうまくいかなければ、正しい行動にはつながりません。
視機能とは
視機能とは、「目で見て、見た物を理解するまでのはたらき」です。
- 視力
- どれだけ細かいものをはっきり見分けられるか
- 屈折状態
- 近視・遠視・乱視・視線のズレ
- 調節力
- 遠くや近くなど、見たい場所へピントをスムーズに合わせる能力
- 視野
- 目を動かさずに、どの範囲まで見えるか
- 色覚
- 色を見分ける能力
- 眼球運動
- 目をスムーズに動かす能力
- 両眼視機能
- 両目で見て立体的に捉える能力
- 視覚認知
- 見た情報を理解し、判断する脳の働き
ただ見ている、見えているだけではありません。
「見て、脳で処理して、意味を理解する」。ここまでの全てを含めて「視機能」といいます。
視知覚とは
視知覚とは、目から入ってきた情報を脳で整理し、「それが何であるか」を理解する力のことです。
単に見えているだけではなく、物の形や色、大きさ、位置などを見分け、過去の経験と照らし合わせながら意味をとらえる働きも含まれます。視知覚は、次のような大切な力によって支えられています。
目と手の協応動作
目からの情報と連動して手を動かす能力です。
例えば
- ・枠の中にバランスよく文字を書く
- ・手先を上手にコントロールする
- ・箸やハサミを使う
図形と背景の識別(図と地)
たくさんの情報の中から、必要なものを見つけだす能力です。
例えば
- ・教科書の中から先生が指摘した部分を探して読む
- ・絵の間違いを探す
- ・混雑した場所で知人を見つける
- ・探し物を見つける
形の恒常性
距離や角度、大きさ、向きなどが変わっても、同じ物として認識する能力です。例えば、椅子を上や下から見たり、大きさが変わって見えたりしても、同じ「椅子」と認識できます。
空間における位置
空間における物の位置や方向を認知する能力です。
例えば
- ・漢字の偏とつくりの位置を正しく認識する
- ・算数の筆算で数字の桁を間違えずに計算する
- ・チームスポーツで敵、味方、ボールなどの位置を把握する
空間関係の理解
物と物との位置関係を理解する力です。文字、漢字、数字、図形などをバランスよく書いたり、認識したりすることに関わります。
視知覚の大切さと発達
視知覚は、学習や日常生活の土台となる重要な力です。
- 学習面
- 文字を読む・書く、図形を理解するなどに関わります。
- 運動面
- ボール遊びやスポーツなど、体の動きをスムーズに行うために必要です。
- 日常生活
- 周囲の状況を把握し、安全に行動するために欠かせません。
視覚の発達は乳幼児期から始まり、およそ12〜13歳頃にかけて徐々に整っていくと言われています。
日々の生活や遊び、さまざまな経験を通して「見る力」は少しずつ育っていきます。
発達が積み上がっていきます。)
感覚システム
前庭感覚・固有受容
味覚・嗅覚・視覚・聴覚・触覚
行動の発達
身体感覚・反射の成熟・情報の入力
姿勢維持・バランス・身体の左右の認識
認知行動の発達
聴覚言語能力・空間認知
目と手の協応・眼球運動
認知・知性
学習・コミュニケーション
日常生活・行動・ふるまい
注意・集中
期待できる効果
日常生活においても、次のような効果が期待できます。
- 学習面でのつまずきの解消
- 暗記力の向上
- 運動能力の向上
- 車の運転中の認知力向上
- 高齢者の認知症予防
ビジョントレーニングを行うことによって、前頭葉の広い部分に血流や酸素が行きわたり、脳の成長を促す効果もあると言われています。
前頭葉は人間の運動・言語・思考・判断を司る場所であるため、ビジョントレーニングをすることで、それらの能力の発達を促すことが期待できます。
なぜトレーニングが必要なのか
視覚は「能力」であり、「技術」です。つまり、正しくトレーニングを行えば向上します。
特に重要なのは、外界からの刺激です。多くの刺激を受けることで、脳内の神経回路(シナプス)が発達し、次のような変化が起こります。
- 処理スピードが上がる
- 判断が正確になる
- 集中力が高まる
視覚の使い方が変わると、学習効率や仕事のパフォーマンス、スポーツ能力、日常の快適さも大きく変わります。また、視覚の癖は行動や性格にも影響することがあります。
困り事への対策
学習面
- 文字が読みにくい、行を飛ばして読んでしまう
- 眼球運動のトレーニング
- 漢字や図形を覚えられない
- 空間認知、指や手首のトレーニング
- 文字を書くのが苦手
- 目と手の協応のトレーニング
日常生活
- ボール遊びが苦手
- 視覚と運動の協調性向上トレーニング
- パズルや積み木が苦手
- 空間認知能力向上トレーニング
- 集中が続かない、動き回って落ち着かない
- メンタルボディーマップなどのトレーニング
当店の検査
視力が低い場合、メガネで補正することは大切です。しかし、それだけでは視覚全体は整いません。例えば、次のような場合は視覚機能のバランスが崩れている可能性があります。
- 視力は良いのに疲れる
- 見えているのにミスが多い
- 集中できない
当店では、単に視力を0.1から1.0に合わせる視力測定ではなく、「視機能全体を考慮した検査・メガネ作製」を行っています。
メガネで「見える状態」を整えたうえで、必要に応じてビジョントレーニングをご提案しています。
視知覚の測定
年齢や発達に合わせて、次の検査などを使用して測定いたします。
- DTVP-A
- DTVP-2
- DTVP-3
- MVPT-3
- VMI
- DEM
※ 上記の測定は知能検査ではありません。
正しい視覚を身につけるために
視力だけを基準にしたメガネ選びでは、本来の見え方を引き出すことはできません。大切なのは、次の2点です。
- 視機能のバランスを整えること
- 眼と脳と体の連携を高めること
ビジョントレーニングは、より良い「見え方」と「快適な視覚」を身につけるための方法です。
ご予約・お問い合わせ
見え方に違和感がある方、お子さまの学習や運動で気になることがある方は、どうぞお気軽にご相談ください。視力だけでは分からない「視覚の状態」を丁寧に確認し、一人ひとりに合ったご提案をいたします。
視知覚検査・視機能検査・ビジョントレーニングは完全予約制です。
メガネ・検査の料金